先週日曜日、12月9日に行われた勉強会へご参加の皆さま、ありがとうございました。
講師を含め、36名の参加がありました。
松戸総合医療センターの小橋先生からは虐待の定義のお話から始まり、海外と日本との虐待の種類や通告数、またどこから通告があるのかの違いなどをわかりやすくご説明いただきました。虐待の歴史からみて、不適切な養育を受けている子どもで2歳までに介入できた場合と、それ以降の年齢の子とではソーシャルスキルの高さに違いがあり、早期介入することの大切さ(医療者の役割が大きい)もわかりました。
要保護児童に関する個人情報の提供に関しては、児童福祉法第21条で個人情報守秘義務にはあたらないと認められています。多職種連携がとても大切ですが、日本ではまだまだ始まったばかりです。
最後に、生前小児科医であった坂井聖二さんの言葉で
「我々が、虐待の存在を全く考慮に入れない時、また虐待の存在を疑いながら様々な理由をつけてその問題に対処しないとき、それは我々の行うネグレクトである我々は”常に加害者になりうる”ということを意識しなければならない」という言葉を紹介していただきました。
小橋先生の他、ご登壇いただいたのは流山市子ども家庭課の方です。子どもが増えている流山市ですが、市への家庭児童相談に寄せられる相談件数は、今年度10月末現在で3000件を超えています。そのうち虐待に関する件数は1620件です。延べ人数ではあるそうですが、わが市でもこれだけの通報件数が実際にあるのです。虐待はテレビの中のことではなく、身近にあることがわかりました。
また、児童福祉法第25条で要保護児童等に対する支援の内容に関する協議を行う「要保護児童対策地域協議会」を置く努力が求められていますが、流山市にはあります。市では、通告を受けてから情報収集をし、48時間以内に安全確認を複数で子どもを目視します。
通告時に確認したいこととしては、
・いつ・どこで・誰に・誰が虐待されているのか・なぜ虐待と思ったか・どのくらいの頻度か・どの時間帯か・子どもの様子
を教えて欲しいということでした。
次にご登壇いただいたのは、NPO法人子どもの教育・生活支援「アニー基金」プロジェクト・千葉県里親会柏支部会長の日高真智子さんです。
アニー基金では、実親と暮らせない子どもの人権を守り、生活支援や教育支援を行う事を目的に全国の寄附者を集めています。また、虐待を受けた子、実親、里親への心理的フォローが継続的に必要で、その専門機関の「親子相談所」を設けようと日々活動されています。
日高さんは、保護された児童や里親たちをずっと見て来ています。自分が受けた心や身体の痛み、何十年も続いていきます。虐待を受けていたと、自ら告白できるのは日高さんが関わったケースでは早くて1年なのだそうです。その他、いくつも実例をあげていただきました。聞いていて、とても心が痛みましたが、里親の存在や役割がとても重要であることを改めて認識しました。
里親の説明会がありますので、ご紹介します。
柏児童相談所管内
日にち:平成31年3月2日(土曜日)
時間:午後1時30分から
場所:流山市生涯学習センター(流山市中110)
https://www.pref.chiba.lg.jp/…/documents/h30seidosetumei.pdf
アニー基金プロジェクト
http://www.annykikin.com/