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叩かない子育てレポート

11/27の「叩かない子育て」講演会から2週間も経ってしまいましたが、ご報告させていただきます。子育て支援者、子育て中の親など38名のご参加がありました。
ご参加いただいた皆様、お忙しい中大変ありがとうございました。
なこっこの青木さんの素晴らしいレポートをお借りしましたので、シェアさせていただきます。ご参加できなかった方は是非お読みになってください。

日曜日は、流山子育てネット主催で、NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、育児情報誌「miku」編集長の高祖常子さんの講演会「たたかない子育て」に参加。
来られなかった方もいらっしゃるので、内容の1部をシェア。
しつけと虐待の違いについて。
保護者が子どものためと思っても、子どもが耐え難い苦痛を感じれば、それは虐待。
子どもの側に立って考えることが必要。
体罰には、恐怖・不安による支配となるという問題があり、行動への悪影響やコミュニケーション不全、自尊感情形成の阻害などの、情緒的混乱をもたらす恐れがある。また、保護者や保育者などとの愛着形成を阻害し、思春期以降の反社会的行動への傾向を助長する。
世界で、子どもへの体罰、暴力を法律で禁止している国は51カ国。スウェーデン(1979年)、フィンランド(1983年)を皮切りに、2014年にはブラジルでも子どもへの体罰が禁止された。
スウェーデンでは1960年代には90%以上の家庭で躾に暴力を使っていたが、2000年代には10%近くまで削減ができた。それに伴い、児童虐待の死亡件数も、学校でのいじめの件数も減った。
虐待は、泣き止まないなどの、子育て中の「ストレス反応」で起こることが多い。怒鳴り散らしたり、叩く、押す、投げる、食事を与えないなどの行動が見られる。虐待予防のためには、ストレスを逃すこと、あ、やばいな、と思ったら、深呼吸したり、手を洗ったり、トイレに行ったりすることで気持ちを落ち着けることが大切だ。
ワーク⑴では、よくある子育ての風景を切り取ってワーク。子育て支援施設で友達の使っていたおもちゃを取って、お友達を押してしまった我が子に対して、どう思うか、どう声をかけるかを考えた。「おもちゃを貸してあげようね?」「順番で使おうか」などの声かけをする人が殆ど。
ワーク⑵では、同じ場面を子どもの視点から考え、
ワーク⑶では、子どもが将来どんな人になってほしいかをグループで討議した。その後、再度⑴のワークをすると、あら不思議、「子どもの言い分を聞き、一度受け止めてから、おもちゃを独り占めしてはいけない理由を諭す」とか、「子ども同士の関わりを尊重する。必要があれば、相手の親にも話す」など、答えが大分変化した。
子育ての「今」を切り取り着目するのではなく、広く視野を持ち、長い目でみて、今この子どもにどんな声かけをするのが良いのか。
一時のか感情に任せず、考えて子どもにコミットする。
しつけでは、1.まずわが子の気持ちを受け止めて、行動の背景にある理由を知り、2.子どもに親の気持ち、相手の気持ちを話し、状況を整理し、子どもの視野を広げ、3.解決する方法をアドバイスし、また子ども本人に考えさせる。4.最終的に子ども自身が判断し、行動するという、ステップが必要。
我が子にも地域の子どもにも、ポジティブに接し、一人の人間として尊重すること、気持ちも行動を分けて考えること、いい行動を褒めることが大切だと高祖さんは語った。
最後に参加者で、虐待防止のために私たちができることを話し合い、講演会は終了。
高祖さんのお話を伺って、思ったこと。
ワークのような2.3歳によくある場面では、支援者の関わりがとても大切。そこで支援者が「おもちゃ貸してあげようね」とか「じゅんばんばんだよ」とか、子どもに声をかけたら、親は子どもに「貸してあげなさい!」と指導的な関わりにならざるを得ない。支援者が親に、また子どもに肯定的、共感的に関わることが、親の子どもへの関わりの選択肢を増やすことに繋がるのだな、と。支援者の声かけは、親の視野を拡げ、また長期的な視座に立ったものでなくては、としみじみ思いました。